バックナンバー:2010

■おおいぬの木登り・・(12月29日放送)
15年位前の話。星を撮影するため、夜中にあるスキー場の谷間を汗だくになって登っていた。疲れて立ち止まりふと空を見上げると、山の上におおいぬ座のシリウスが輝いていた。樹木と重なり、まるで犬が木登りをしているように見えてカメラを向けた。
■古町2000年・・(12月22日放送)
FMポートで喋らせてもらうようになったきっかけは、放送局の担当者が2000年に発売した私の写真集を目にとめてくれたことからだった。写真集の表紙には当時流行った、ガングロ・厚底サンダルの女性たちに出てもらった。
■ポポの雪遊び・・(12月15日放送)
粘土の人形作家・皆川良一さんの個展が、16日から古町の羊画廊で開かれる。今年は何と30回目ということ。写真は皆川さんの作品を撮らせてもらい始めた10数年前、奥只見丸山スキー場でのもの。天気に恵まれ、爽快な撮影だった。
■新しい橋・・(12月08日放送)
新潟県の橋を105本撮影する仕事をさせてもらっている。いろいろな風景に出会えるのが楽しみでもあるが、山古志の橋を撮りに行ったときには驚いた。いまだに中越地震の被害を受けた家屋がいくつもそのまま橋の下に半分埋もれていた。
■冬支度・・(12月01日放送)
阿賀町で薪割りをしている老人に出会った。大量の木材を割って積み上げていたが、聞けばこの先何年分も作っているとのこと。将来自分の体が弱って薪が作れなくなったときのための備えなのだが、普通の人の冬支度とは重みが違うと感じた。
■池谷・村上彗星・・(11月24日放送)
2002年に彗星を発見した十日町市の村上茂樹さんを撮影させてもらったのは11月3日。なんとその晩に村上さんが2個目の彗星を発見してしまった。ドラマチックな展開にじっとしていられず、5日未明に彗星の撮影に出かけた。雲が出てわずか数分の対面だったが、感慨深かった。
■コメットハンター村上さん・・(11月17日放送)
コメットハンターとは彗星を捜す人のこと。十日町市の村上茂樹さんは、今までに2個の彗星を発見している。どこからいつやってくるか分からない天体、しかも一生見つけられないかもしれないのに、望遠鏡で長年捜し続ける秘訣は「発見できなくてもいい」と思って捜すことだそうだ。
■日本ミツバチ・・(11月10日放送)
日本ミツバチの養蜂家を取材した。日本ミツバチはほかのハチと比べておとなしく、めったに刺さないと聞き、レンズが触れるくらいの接写をしてみた。拡大されたミツバチの顔は可愛らしく、こっちをじっと見ているように感じた。
■上川の紅葉・・(11月03日放送)
ブナの原生林が広がる阿賀町の上川地区。昔よく撮影に行っていたが、近年は道路の崩壊などでなかなか入ることが出来なかった。今年、地元の人から週末は入れるようになったと聞き、早速撮影に行った。標高1,000mの原生林の紅葉は知られた観光地のものと比べ、ひときわ雄大だった。
■柳がれい・・(10月27日放送)
先月、岩船漁港で柳がれいの取材をした。その日は漁の解禁日だったため漁港はすごい活気。大漁だったが、お目当ての柳がれいはまだ時期が早く、少量の漁獲だった。そんな中で目がとても愛らしい1匹を見つけて撮影した。
■そば打ち・・(10月20日放送)
雑誌の取材でそば屋さんを何軒もまわり、そば打ちシーンを撮影させてもらった。行程は同じでも打ち手のそれぞれのこだわりが垣間見えて楽しい取材となった。どの打ち手も加える水の量と最初のかき混ぜ方が重要と話していて、特に混ぜ方はいろいろな方法が撮れた。
■油地獄・・(10月13日放送)
新そばの季節が始まり、そば屋さんの取材が多くなってきた。長野市の善光寺の近くに「かんだた」という店があり、そばのメニューに「鬼おこし」「釜ゆで」「油地獄」などという地獄にちなんだものを付けている。写真は揚げた日本そばにあんをかけた「油地獄」。おいしかった。
■裏の畑で・・(10月06日放送)
昨年秋、村上市で撮影した帰りに道路わきの畑で、2人のおばあさんが座っていた。家も近くて幼なじみの2人は良くこの畑で話をするのだとか。会話をするには2人の間がちょっと離れているような気がしたが、なんとも言えないゆったり感が面白いので撮らせてもらった。
■荒海や佐渡に横たふ天の川・・(09月29日放送)
有名な松尾芭蕉の俳句が詠まれた出雲崎で、この句のイメージを撮りたいと長年思い続けてきた。9月初め、珍しく低空まで澄んだ空なのを見て現地へ。砂浜にカメラを構え、ゆっくり水平線に近づいていく天の川を撮影した。
■農林壱号・・(09月22日放送)
妙高市の妙高高原でひっそり作られている、コシヒカリの親品種・農林壱号。4年ほど前に取材したが、そのときは田植えが終わった直後だった。いつか実りの季節に訪れたいと思っていたが、昨年秋に実現した。特に変わっているわけではないが、お米はコシヒカリより美味しいそうだ。
■只見川夜景・・(09月15日放送)
奥只見の福島県境付近の只見川は大きな石がごろごろしている。川の中ほどの石に座って、沈んでいく月を眺めた。ゴオゴオ鳴り響く水の音に包まれて、月が徐々に西に傾いていくのを見ながら、地球の事とか宇宙の事とか、いろいろなことを考えた。
■刃物工場の窓・・(09月08日放送)
長岡市の打ち刃物の工場を取材したとき、黒い塗料が窓ガラスに塗られていた。ずっと前に行ったのこぎり工場では、白い塗料が塗られていた。どちらも、このような窓ガラスを刃物に映しこんで、仕上がりを確認すると言う。職人のすることの深さにはいつも感心してしまう。
■県境・鷹ノ巣のそば畑・・(09月01日放送)
尾瀬へ向かう国道352号線の県境近くには、そば畑が点在する。ここにある清四郎小屋では「自家製そば粉100%、つなぎなし」で甘みのある美味しいそばを食べさせてくれる。10月には新そばが食べれそうだが山小屋の冬季休業まで間がないのがおしい。
■峠で会ったサイクリスト・・(08月25日放送)
夏になると大きな荷物を自転車に積んで、旅する人をたくさん見かける。いくつもの峠を越えて、奈良県からやってきた谷川くんという若者に奥只見で出会った。私も以前、辛い思いをして越えた峠なので、思わず声を掛け「がんばって!」と伝えた。
■イトトンボの羽化・・(08月18日放送)
上越市の棚田を撮影中、ハスが栽培されている池を見つけた。池の中には子どものころ大好きだった水生昆虫がたくさんいて、もう棚田の撮影どころではなくなって池のあちこち観察して回った。そんな中、ヤゴから羽化したばかりのイトトンボを発見。池に突入して撮るのに夢中になってしまった。
■夏の星空・・(08月11日放送)
夏の夜は大地に寝転がって星空を見上げるのが楽しい。大勢で集まり、長時間いろんな話をしながら、天の川が徐々に西に動いていくのを見ていると、本当にいい時間を過ごしていると感じる。11~13日はペルセウス座流星群が夜空を飾る。家にじっとしては居られない。
■小千谷縮の市川さん・・(08月04日放送)
国の重要無形文化財に指定されている、小千谷縮を取材した。麻糸で織られる上布は繊維が切れやすく、湿度の高い時季しかできないので、生産量は文化財級で年間数反という。市川さんの仕事は緻密で根気強く続く。仕事が反映してか、穏やかでやさしい人だった。
■ブナの大木・・(07月28日放送)
上越市の牧峠に登っていく途中、霧の中で巨大なブナの木に出会った。何百年も生きてきたであろう巨木は大きく枝を広げ、圧倒的な存在感でその場の空気を支配していた。撮影しながら、上からぽたぽたと落ちてくる露が気持ちが良かった。
■村のソフトボール大会・・(07月21日放送)
上越市の牧区を撮影中に、地域のソフトボール大会に遭遇した。子どもや女性も混じったチーム構成で、服装もバラバラ、プレーヤーの一挙一動に笑いと歓声が飛び交う楽しいゲームだった。最近こんなスポーツ大会を見ていなかったので、とても大切なシーンに思えて撮影させてもらった。
■新潟市福井の蛍・・(07月14日放送)
最近は地域で蛍を保護しているところが多く、毎年時期になると当たり外れなく見られるようになった。小さな光だが、一生懸命生きているのが感じられて撮影しながらいつも「がんばれ!」と応援したくなる。
■おりひめ星・・(07月07日放送)
七夕のおりひめ星である、こと座のベガは1等星よりさらに明るい0等星。湯沢町の高層マンションの下からベガを眺めた。オフシーズンのリゾート地では街の灯りも少なく、星の輝きが力強い。宇宙から力をもらったような気分だった。
■終わった日の夕焼け・・(06月30日放送)
先日高校3年の息子が部活動で、最後の試合を終え引退となった。その日の帰り道、角田灯台の近くで日が落ちそうになり、車を止めて2人で夕焼けを眺めた。大きな節目に息子がどんな気持ちかは聞かなかったが、私には今までのことが思い返され忘れられない夕焼けとなった。
■原惣右エ門さん・・(06月23日放送)
鋳物の技術で蝋型鋳金というのがある。蝋でかたちを作り、泥を塗りつけ鋳型にする。そこにどろどろに溶けた金属を流し込むと蝋に置き換わって、金属の製品ができるというもの。
■赤い道と天の川・・(06月16日放送)
初夏に星空撮影をするときは、どうしても天の川の方にカメラを向けることが多い。沖縄の竹富島で集落から少し離れると美しい天の川が見えた。遠くの街灯に道路が真っ赤に照らされ、何か宇宙に通じていく道のように思えてカメラを構えた。
■おにぎり・・(06月09日放送)
佐渡でかつて砂金が採れたところとして知られる、西三川に美味しいお米を作っている人たちを取材した。本当に美味しいご飯は時間がたって冷え切ったおにぎりにその味が現れるという。撮影後は試食。噛みしめるほどに甘みが出て、美味しい香りを感じることができた。お見事!
■智光坊の彫刻・・(06月02日放送)
佐渡の取材の最中、予定にはなかった智光坊という寺に立ち寄った。取材スタッフが以前、すごい彫刻がある寺という話を聞いていたからだ。行ってみると確かにため息が出るほど見事な彫刻。佐渡の奥深さを改めて知らされた。
■佐渡金山跡・・(05月26日放送)
20年ぶりくらいに佐渡の金山跡へ撮影に入った。一般的に人形で鉱山の様子を再現している、テーマパーク的な観光施設というイメージが強いが、一つ一つ鉱山の痕跡を訪ね歩くと、歴史的な深さに驚くことばかりだった。
■寝屋漁港・・(05月19日放送)
村上市の山北方面に取材に行った。夕方から寝屋漁港が騒がしくなっていたので行ってみると、セリの真っ最中。都市の卸売市場の朝のセリに合わせて、漁港では夕方からセリが始まる。その脇で女性たちが陸揚げされたばかりのカニを、大騒ぎで床に這って選別していた。
■アオサ採り・・(05月12日放送)
村上市の笹川流れで地元のおばさんたちがアオサを採っていた。私も最初その様子を撮影させてもらっていたが、アオサの味噌汁が何度も頭に浮かんで、とうとうカメラをしまって一緒に採らせてもらった。その日、夕飯の味噌汁は最高だった。
■金山の一本桜・・(05月05日放送)
佐渡の金山跡の高い石垣の上に、一本の桜がある。真二つに割れた金山と、年月を刻んだ石垣の間に咲く様子は、無常な感じがあふれる素晴らしい情景だった。ところがこの石垣が文化財であることから、桜の根による破壊の危険があり、もしかすると切り倒される可能性もあるという。
■花絵つくり・・(04月28日放送)
チューリップの花で大きな絵を作る「新潟花絵プロジェクト」が今年も29日に行われる。17年も続く長寿イベントだ。いつも記録写真を撮らせてもらっているが、地味な街がぱあっと華やかになり、春が来た!と感じさせてくれるイベントだ。
■沖縄バッタ・・(04月21日放送)
沖縄の石垣島で取材の帰り、空港へ運んでくれたタクシーの運転手さんが、降りようとする私の目の前に「趣味で作ったものだけどどうぞ」と言って葉っぱで編んだバッタを差し出した。これを青空にかざすといつでも心が沖縄に飛んでいく。
■ヘールボップ彗星・・(04月14日放送)
子供のころから時々、大きな彗星が現れては去って行ったが1997年のヘールボップ彗星以来、大きなものは見ていない。大彗星との出会いはいつも鮮明に心に焼き付き、宇宙への想いを強くさせてくれる。あの感動をまた味わいたいものだ。
■地獄谷の仔猿・・(04月07日放送)
温泉に入る猿がいる事で有名な、長野県の地獄谷野猿公苑へ行ってきた。湯につかってウトウトするもの、一生懸命えさを捜すものなど、さまざまな行動が楽しめて飽きることがない。温泉の湯を飲む母の脇で湯に浮かぶ何かを必死につかもうとする子猿が可愛らしかった。
■しんきろう・・(03月31日放送)
北海道の西端、野付半島へ行ったとき、早朝水平線上にしんきろうが現れた。漁船は宙に浮き、知床半島のほうは街並みが縦に長く延びていた。初めての経験だったので大慌てで撮影したが、周りには誰もいなくて感動を分かち合うことはできなかった。
■広目天・・(03月24日放送)
仏像の撮影は、生かすも殺すもライティング次第。撮影自体が制限されているものも多く、なかなか思うようには撮れないものだ。東大寺の大仏殿へ行ったとき、大仏の左に広目天という仏像があり、それがもう最高のライティング。今にも動き出しそうだった。
■台・・(03月17日放送)
3年ほど前のこと。海岸道路のわきに毎日早朝、アーチェリーの練習をしている少女がいた。角材で作られた台の上に的を乗せ、一心にやっている姿を見て、通りながら心で応援していた。いつしか少女は来なくなり、今は台だけが水溜りの中ぽつんと立っている。
■お酒の燗鍋・・(03月10日放送)
新潟市の樋木酒造へお邪魔したときに、日本酒の燗をする鍋を見せてもらった。昔はこの鍋にお酒を入れて火にかけ、長い取っ手を持ちながら宴会で注いで回ったらしい。道具を見ながら当時のちょっと華やかな宴会の様子が目に浮かんできた。
■西表島の夜・・(03月03日放送)
星空の撮影では一晩中いろいろな所に、足の向くまま動き回ることが多い。沖縄の西表島で真っ暗な森の中の細い道を入っていくと突然、こうこうと灯かりのついた宿舎のような建物があり、ヤシの木が囲んでいた。何か外国の熱帯の島にいるような気持ちになって撮影した
■美人林・・(02月24日放送)
十日町市の松之山地区にある、美人林と呼ばれるブナの丘へ行った。積雪は2m以上。たっぷり積もった雪の上に仰向けになり生い茂る木々を見上げれば、空は一足早く春の気配。あまりの気持ちよさで、写真を撮っているうちになんだか眠ってしまいそうになった。
■包丁の柄付け・・(02月17日放送)
取材で三条市の包丁を作っているタダフサという会社を訪れた。いろんな工程を撮らせていただいたが、会長自ら作業をして見せてくれたのが「柄付け」。焼いた包丁を柄に込めた後、宙にかざして木槌でたたく。その姿の決まっていること。格好いいなあと思いながらシャッターを切った。
■こも塩甘鯛・・(02月10日放送)
新潟市の料理人、本間忠治さんの一品。撮影しているときは詳しい話を聞いていなかったため、ただ焼いただけの魚料理と思っていた。実際は塩で数時間締めた後、さらに数時間塩出ししてから焼くという、手間のかかったもの。その手間を写真で表現するのは難しい。
■グラスの宇宙・・(02月03日放送)
ホテルの最上階でシャンペングラスと夜景の撮影をした。ピントを合わせるのに画面を拡大すると、立会いの一人が「うわー!きれいだ」と声を上げた。それならばと撮影予定になかったグラスのアップをサービス撮影。そこには流れ星が降り注ぐような宇宙があった。
■祭り帰り・・(01月27日放送)
松之山の墨塗り祭りへ行ってきた。祭りが終わり、温泉街をトボトボと歩いて帰る中学生に声をかけた。顔には激しく墨を塗りあった後。どこへ行っても同じような格好の若者ばかりの世の中で、スルメをくわえた真っ黒な顔が最高にかっこいいと思った。
■奥野氏の器・・(01月20日放送)
妙高市へ撮影に言った際、たまたま知った山奥の1軒家が気になって訪ねて見ると、奥野義嗣さんという陶芸家が住んでおられた。少しお話して1枚写真を撮らせてもらっただけなのに、きれいな器を頂き、今度お酒を飲みに来るよう誘ってもらった。
■足あと・・(01月13日放送)
雪の上の動物の足あとは、どれも乱れることなくきれいに付けられていて、うさぎ、たぬき、鹿、それぞれ特徴がある。いろいろ撮りたいと、かんじきに履き替え雪の中へ歩き出すが、足の付け根までもぐってしまいうまく進まなかった。
■爪切りの仕上げ・・(01月06日放送)
三条市の諏訪田製作所はプロ用の爪切りを作っているのだが、たくさんの職人の手作業で作られていく、高品質なものを得意とする。写真は刃先を明かりにかざして仕上がり具合を確認しているところで、切れ味にかかわる重要な工程だ。

渡部 佳則  Yoshinori WATABE
誕生日:4月16日 星座:おひつじ座 血液型:B型

新潟県見附市生まれ。
中学校教員から写真家に転身。広告、ドキュメンタリーの撮影のほか
日本全国の「星空のある風景」や新潟県の手仕事をはじめとした「職人」をテーマに撮影活動を続ける。
’96日本写真家協会展銅賞。写真集に「古町’99-2000」。
日本写真家協会、世界環境写真家協会会員。新潟市在住。

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